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西尾市岩瀬文庫の世界

七夕の説 [寛政9年刊 宿屋飯盛編/北尾重政画]

七夕の由来を紹介し、それに関する風俗画と狂歌を収載した絵本

 こんにちでは笹に短冊をつけて願い事をする七夕の行事。もとは、7月7日に天の川を渡り、牽牛と織女が年に一度だけの逢瀬を許されるという伝説と、技術や芸能の上達を祈る乞巧奠(きっこうでん)の星祭が中国から輸入され、そこに日本古来の機織の女神・棚機津女(たなばたつめ)の伝説や、先祖の霊が帰ってくるのをおまつりするという精霊(しょうりょう)信仰がまざりあってできた宮廷行事でした。

 

 本書は、そんな七夕の由来を紹介し、それに関する風俗画と狂歌を収載した絵本です。もともとのタイトルは『絵本あまのがわ』といい、国学者にして狂歌・戯作作者の宿屋飯盛の編集によって、寛政9(1797)年に刊行されました。

 

 元来、宮廷の年中行事であった七夕が、やがて武家に伝わり、やがて江戸時代には広く民間でも行われるようになりました。寺子屋に通う子どもたちも手習いの上達を祈って短冊を書き、また庶民の家々でも笹飾りや祭壇をしつらえて楽しむ、夏の華やかな祭りとなりました。

 

 近代に入って年中行事が新暦で行われるようになると、7月7日は梅雨の時期にかかるため、天候が不安定になりがちです。雨が降ったり曇がかかったり、あるいは晴れていても年によっては満月の月明かりで、せっかくの星空が見えないこともあります。一方、旧暦の7月7日は、今年平成22年ならば8月16日にあたり、梅雨はとうに明けている時分です。さらに月を基準とする旧暦では、7日は必ず上弦の細い月で夜半には地平に沈みます。月光の影響のない黒々と晴れた夜空に、天の川が白く浮かび、星々がきらめく…旧暦で行われた七夕は、そんな美しい天体ショーが楽しめる夜だったことでしょう。

 

 本書の挿絵にも、天の川・牽牛星・織女星が、しっかり描かれています。

七夕の説

七夕の様子

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