あの頃この辺り~写真で辿る西尾・碧南・高浜~
浜辺の原風景 入浜式塩田
昭和初期の入浜式塩田のようす
江戸時代前期の元禄期に盛んになったといわれる吉良の塩田。遠浅の三河湾を利用した塩作りの歴史は、戦国時代末期の今川義元文書にも記載があるほどです。
この地で採取された塩は「饗庭塩」の名前で、三河地方はもちろん、信州方面まで出荷されました。砂浜を利用する入浜式塩田は、まず砂に付着した塩分を砂ごと集めてそこに海水を掛け、濃度の高い塩水を作ります。こうして集めた塩水を平釜で煮詰めると塩ができます。
入浜式塩田による製塩は、昭和28年の台風13号による三河湾沿岸部の壊滅的被害により姿を消し、より生産性の高い方式へと変更されました。
(写真提供・文責=げんぞうアーカイブス)