地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、西尾・碧南・高浜の地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

西尾・碧南・高浜の地域情報サイト「まいぷれ」

Cute Movies

マルコヴィッチの穴

監督:スパイク・ジョーンズ

おかしい・・・。変だ。あたまおかしい。絶対におかしい・・・。
一体誰がこんな話を思いつくのだ・・・。
これが、わたしのこの映画を見た第一の感想である。
MTVの映像作家であり、ソフィア・コッポラのご主人としても注目の
スパイク・ジョーンズ監督のスクリーンデビュー作はとんでもない作品である。


顔は見覚えがある。名前も聞いたことがある。
しかし、一体どんな映画に出ていたのか思い出せない。
そんな俳優ジョン・マルコビッチの頭の中に入ってしまうというこの奇想天外なお話。

とある男がとあるビルの中にある小さな扉の中に入ると、
そこはマルコビッチの頭の中だった!
それを見つけた男は、それでうまいこと商売を始めようとする。
1回200ドル。あなたもマルコビッチになりませんか。
人の頭の中に入って、人の人生体験できちゃうとあって商売は大繁盛するが・・・・。

最初からトンチンカンな話は、
次から次へと予想もつかない方向へころころ転がって行き、
ますます訳のわからない世界へとトリップしていく。
常人には、まず理解不可能であろう。

そして、主演二人。これがまた汚い。なにしろ汚い。
マルコビッチの頭へ通じるドアを見つけた人形操り師に扮するのは、
ジョン・キューザック。そしてその妻にキャメロン・ディアス。
よれよれの服に、だらしなく伸びた髪の毛や髭。
うだつの上がらない男と挙動不審の女を
二人とも「これでもか」というくらい熱演である。赤ら顔にぼさぼさヘアーのキャメロンを見て驚かない人はいないだろう。
なにしろ、汚さ、不細工さとも尋常ではない。
「メリーに首ったけ」のときのあの可愛いらしさはどこへやらである。
ジョン・キューザックにしたって頭ベトベトだもんね。
絶対に髪洗ってないだろうという感じであったので
風呂上りの場面には思わず「洗ってたんだー」と驚いてしまった。
いいのか、キャメロン。これでいいのかキューザック。
・・・と問わずにはいられない作品である。

どうしたらこんな話が思いつくのか。
そして、どうしたらこんな話を映画にしようと思うのか。
作った人の頭の中を覗いてみたいものだ。



ここまで書いたこと、全て誉め言葉である。
話のとんちんかんさも、主演二人の汚さも、
この映画に限っていえば全て誉め言葉だ。
この映画はすばらしい。だって、面白いんだもん。
猿とチャーリー・シーン。二人の脇役にも注目だ。
ぜひ一度楽しんでいただきたい。

text by...  RS

2000/11/15